建設業の定着に必要なリテンションマネジメントとは?

人手不足が深刻な建設業においては、優秀な人材の定着を図るための施策、リテンションマネジメントが求められています。リテンションマネジメントは優秀な人材を定着させるための総合的な施策です。この記事では、リテンションマネジメントが建設業に必要な理由、リテンションマネジメントの取り組みについて解説します。

リテンションマネジメントとは?

人材マネジメント領域でいうリテンションとは、人材を社内に確保することです。そしてリテンションマネジメントとは、優秀な人材を確保し、能力を発揮するための総合的な施策です。総合的というのは、人事制度や人材育成、採用施策などを全て含めているということです。

経営学者の山本寛氏は、リテンションマネジメントについて「高業績を挙げる従業員が、長期間組織にとどまってその能力を発揮することができるようにするための、人的資源管理施策全体」(『人材定着のマネジメント 経営組織のリテンション研究』)と定義しています。

なぜ建設業にはリテンションマネジメントが必要?

優秀な人材を定着させるための総合的な人的管理施策であるリテンションマネジメント。リテンションマネジメントは、人事制度や人材育成、採用施策などの「総合的な施策」を言います。そしてリテンションマネジメントの対象は優秀な人材です。リテンションマネジメントがなぜ建設業に必要なのかを見ていきましょう。

スキルやノウハウを継承できないため

建設業では、仕事を遂行するのに必要なスキル、ノウハウを教えます。机上で教えられるものもあれば、現場で教えることでしか身につけられないものもあります。仕事を抱えながら、上司や先輩が教育します。しかし、せっかく教えたのに離職されてしまうと、教育した意味がなくなってしまうのですね。

そして社員が優秀な人材であればあるほど、離職によってスキルやノウハウを継承できないことは痛手です。優秀な人材はスキルやノウハウを活かして、企業の成長に力を注いでくれたはずだったからです。優秀な人材にスキルやノウハウを継承するためにもリテンションマネジメントは必要です。

建設業の経営を安定化させるため

優秀な人材が力を発揮してくれれば、建設業の経営を拡大させることもできます。例えば家屋のメンテナンスを行っていた建設会社が塗装業を始めたいとしますね。同じ建設業でありながら異なる事業を多角化するということです。うまくいけば経営が安定し、リスクヘッジにもなります。

しかし事業を多角化するには、多角化を実現できる優秀な人材がいる必要があります。いくら優秀な人材を採用できたとしても、離職されてしまえば多角化に失敗するでしょう。経営を安定させるためにもリテンションマネジメントが必要になります。

建設業に必要なリテンションマネジメントの取り組み

建設業は、リテンションマネジメントをどのように実施したら良いでしょうか?リテンションマネジメントの取り組み方を紹介します。

離職原因を推測する

まずは社内にどのような課題があるか、社員は会社をどう思っているか現状を把握します。現状把握に役立つのが従業員満足度調査です。調査の対象は「優秀な人材」に限る必要はなく、匿名で調査を行います。会社、組織風土、人事評価、給与、人間関係、人事異動、仕事内容などについて幅広く調査します。

従業員満足度調査を通じて社員の不満を吸い上げましょう。社員の不満が離職原因に繋がります。調査により、離職原因を定性的、定量的に推測することができます。離職原因を推測した後は、実際に施策を講じていきます。施策は「優秀な人材」を対象とします。

社員研修を充実化させる

管理職のマネジメント能力、社員が仕事に必要なスキルを向上させるため、社員研修を充実化させます。建設業の現場は忙しく、必要なスキルやノウハウをキャッチアップする機会は限られています。

そこで管理職や一般社員を対象とした社員研修を実施します。管理職に対してはマネジメント研修、一般社員にはスキルアップ研修やリーダーシップ研修などを行います。管理職のマネジメント能力が高まると組織が活性化していきます。また、一般社員については優秀な人材を選抜して研修を行うと、優秀な人材の定着が見込めるでしょう。

人事評価制度を刷新する

意欲があって仕事ができるのに年功序列で評価されると、優秀な人材の流出リスクが生じます。人事評価制度は成果主義に改め、プロセスや結果を重視します。極端な結果主義に陥らないよう、定性的な評価も取り入れて下さい。

成果を出せる人材が評価される制度になれば、優秀な人材は「もっとがんばりたい」「会社に残って成果を出そう」と考えるようになります。また、評価制度と合わせて賃金制度も改め、等級間の賃金レンジに重複が少なくなれば「早く上の等級に上がりたい」という社員のインセンティブも生まれます。

施策を採用サイトでアピールする

リテンションマネジメントは、以上のように人材育成や評価制度、賃金制度など幅広い人事施策を含んでいます。リテンションマネジメントを実行した後は、是非その取り組みを採用サイトでアピールして下さい。

採用サイトでアピールすれば、優秀な人材を外から調達することができます。そしてリテンションマネジメントを行っていますから、新たに採用した優秀な人材についても、定着させることができるのです。

ちなみに採用サイトとは、ホームページから独立したページです。「作るのが大変そうでは?」と思うかもしれません。しかし最近はプログラミングの知識がなくても、簡単に採用サイトが作れるクラウドサービスが生まれてきています。更新も容易なので人件費も少なく済みます。リテンションマネジメントの実施と併せて、クラウドサービスで作れる採用サイトも検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

スキルやノウハウを継承させるため、経営を安定化させるためには、建設業にはリテンションマネジメントが必要です。今回ご紹介したのは人材育成と人事制度ですが、組織風土改革や採用手法など、リテンションマネジメントの領域は幅広いです。自社に合った人材定着の施策を講じ、優秀な人材の定着を目指しましょう。

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