在宅勤務でのコミュニケーション不全 原因と改善方法を解説

ある調査によれば在宅勤務者の半数はコミュニケーション不全を感じており、その傾向は若い世代のほうが顕著となっています。その原因はシステムやツールの問題だけでなく、心理的な問題も起因していると考えられます。企業は原因を見極め、適切に対処しなければなりません。

在宅勤務者の半数はコミュニケーション不全を感じている

在宅勤務では、報告や会議といったコミュニケーションをシステムやツールを通じて行う必要があります。

「使い慣れないシステムは避けたい」「ツールを立ち上げて連絡するのが面倒」といった理由から、コミュニケーション不全に陥っている企業も少なくありません。

サイボウズ株式会社が実施した「テレワーク(在宅勤務)のコミュニケーション」にまつわるアンケートでは、在宅勤務中に「コミュニケーションがしにくい」と感じる人は5割を超えています。

※週1回以上在宅勤務をする会社員・公務員・経営者3,087人を対象

参考:テレワークでの職場内コミュニケーション 「業務の話」は1日あたり「30分未満(0分含)」6割 「業務以外」は「0分」4割 ────若手ほど「コミュニケーションしにくい」と感じている傾向が

意外にもこの傾向は若い年代ほど高まり、20代では6割以上が「コミュニケーションがしにくい」と回答しています。最新のツールやシステムに対する抵抗が少ないであろう世代が最も「コミュニケーション不全」を感じるというのは、特筆すべき問題といえるでしょう。

また、職場の人と業務に関わるコミュニケーションをとる1日あたりの時間は、「0分」「30分未満」の合計で6割を超えています。半数以上は、ほとんど職場の人とコミュニケーションを取らずに業務を行っているということになります。

なぜコミュニケーション不全に陥るのか

システムやツールを整備したのに、なぜかコミュニケーション不全に陥ってしまう。その理由はどこにあるのでしょうか。

サイボウズ株式会社の同調査では、「コミュニケーションがしにくい理由」として以下のような事柄が挙げられています。

  • タイミングが難しい
  • 通信環境が悪い
  • 相手の顔がわからない
  • メールなど時間がかかる
  • 上司とのやりとりが多い

注目すべきなのは、「通信環境が悪い」「メールなど時間がかかる」以外は心理的な要因にまつわる事柄だということです。

ツールだけでは埋められない部分について、しっかりと人の手でフォローをする必要があるということでしょう。

コミュニケーション不全を解消する方法

上の「コミュニケーションがしにくい理由」で挙がっていた事柄を踏まえて、コミュニケーション不全を解消する方法をまとめていきます。

自宅のインターネット環境の整備

すべての従業員が、自宅のインターネット環境を整備しているとは限りません。なかには自宅に回線を引かず、携帯電話による通信だけで生活している場合もあるでしょう。

貧弱なインターネット環境ではオンライン会議ツールなどに耐えられず、コミュニケーションが十分に取れない事態も起こりえます。

また、データなどをクラウドサービスで一括管理している場合、クラウドへ通信できないことで業務が停止してしまう恐れもあります。

在宅勤務を推進する際は、すべての従業員が最低でもオンライン会議ツールを使用できるよう、環境整備を行う必要があります。

誤解が生じやすい環境であることに注意する

人は対面してコミュニケーションを取る際、相手の表情やしぐさ、場の雰囲気といった様々な事柄から情報を得ています。

例えば、バラエティ番組で出演者が「押すなよ、絶対に押すなよ!」と言った場合、多くの人は「押してほしい」と理解するでしょう。言語情報とは正反対の意図を汲み取れるということは、言語以外の様々な事柄から情報を得ている証拠です。

在宅勤務では、チャットツールやオンライン会議ツールを通してコミュニケーションを取るため、多くの情報がそぎ落とされてしまいます。その分、相手の意図も汲み取りにくくなるというわけです。特にメールやチャットなど文字情報だけのコミュニケーションで、この傾向は顕著となります。

そもそも文章だけで誤解なく物事を伝えるというのは、高いスキルが必要となります。ときには電話やビデオ通話を用いて、できるだけ正しく物事を伝えるように気を配りましょう。

オンライン会議ツールなどを常時接続しておく

「連絡を入れるタイミングが難しい」といった悩みに対しては、常にオンライン会議ツールに接続した状態にしておくというのも対処法のひとつです。常時接続しておくことで、疑似的にデスクが隣り合っている状況を作り出すわけです。

特に新入社員などは、自分から声をかけてよいものかと不安を覚えることもあるでしょう。いつでも質問できる状態を作っておけば、心理的なハードルも下がります。この場合、カメラ機能はオフにしておいてもよいでしょう。

タスク管理ツールによる進捗や問題点の共有

在宅勤務では互いの進捗状況が見えづらく、管理職クラスはやきもきとしてしまうことも多いでしょう。しかし、いちいちチャットや電話で進捗報告を行うのも手間です。

こうした問題の解決には、タスク管理ツールを用いると効果的です。「いまどのような作業を行っているか」「どのような業務を任せたいか」などをオンライン上で一目で確認できるよう整備するとよいでしょう。

こうしたタスク管理ツールを踏まえたうえで指示や質問などを行えば、進捗や問題点の確認もスムーズになります。

まとめ

多くの人にとって在宅勤務は初めての経験であり、不慣れなために不平不満を感じる部分も少なくないでしょう。

残念ながら、当面は「在宅勤務が合わないなら出社して業務を行う」と切り替えることは難しい状況です。

企業はまず、技術的に解決可能な問題なのか、心理的な問題なのかを見極め、適切に対処していきましょう。

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