自発性の醸成を妨げる原因と解決策

従業員に自発性が欠けていると感じる場合、知らず知らずのうちに自発性の醸成を妨げる原因が定着している可能性があります。これを解決するためには、指示の出し方や業務の進め方を見直し、従業員に仕事を「自分事」として考えてもらう環境を作り出す必要があります。

自発性のある人材とは

自発性とは「他からの影響や強制ではなく、自己の内部の原因によって行われること」という意味です。つまり「自発性のある人材」とは、指示がなくても自ら行動できる人材を指します。

自発性を身につけるよう指示を出しても、それは当人とって「他からの強制」にあたり、本質的に自発性を身につけたとは言い難いでしょう。人事担当者や経営層には、自然と従業員に自発性が身につく環境を作り出すことが求められます。

自発性の醸成を妨げる原因

職場での何気ないルールや雰囲気が、従業員の自発性の醸成を妨げている可能性があります。原因として考えられる事柄とその理由について解説していきます。

事細かに指示を出してしまう

業務にまつわる指示を出す際、「ミスが起きないように」「スピード感を出すために」といった理由から事細かな指示を出してはいないでしょうか。

もちろん、丁寧に指示を出さなければならない場面はあります。しかし、常にそのような指示体系だと「言われたとおりに動くこと」が当然となってしまい、従業員は自然と「指示待ち型」になってしまいます。

目的や理由を共有しない

目的や理由を共有せずに「これをやっておいて」と、一方的に指示を出してはいないでしょうか。一方通行の指示体系が常態化していると、従業員の自発性の醸成を妨げてしまいます。

例えば資料作成を指示する際、その資料が「なんのために必要で、どんな効果を期待するのか」といった事柄が共有されていないと、漫然と作業をこなすだけとなってしまいます。

ワンマンチームになっている

社長やチームリーダーに決定権が独占され、業務の推進がワンマンになっていると、従業員に自発性は芽生えません。

業務を行うなかで「どうせ決定は〇〇がする」と脳裏によぎれば、自身で考えることにも消極的になります。このような環境が常態化すると、多くの従業員が業務を「他人事」と考えるようになり、次世代を担う人材が育たなくなってしまいます。

自発性が芽生える環境にするための解決策

他人から強制されずに自ら業務に取り組むには、仕事を「自分事」として捉える必要があります。そのために必要な4つのポイントを解説していきます。

自ら考える機会を提供する

自発性を生み出すには、自ら考える機会を提供する必要があります。いわゆるコーチングと呼ばれる人材開発の手法です。

具体的には、指示を出す前に「○○をやってほしいのだけれど、どんな方法が良いと思う?」といった具合に問いかけを行ってみましょう。ほかにもクライアントとの商談に臨む際、「クライアントが求めるものはなんだと思う?」といった具合に課題を与え、考える機会を提供するとよいでしょう。

ただ漫然と教育機会を与えるのではなく、自発的に物事を考えるきっかけを提供することで、自発性が芽生えていきます。

「納得」を提供する

自発性を養うには、指示の内容についても意識する必要があります。往々にして指示は「いつ、誰が、どのように」までで止まってしまいがちです。

しかし「なぜ(行うのか)」まで理解できなければ、納得にはつながりません。仕事である以上、指示(強制)によって業務は遂行できるでしょうが、「この業務がなにを目的としているかわからない」という他人事の状態では、成長につながらないのです。

例えば資料作成を行ううえでも、資料がどのような効果を与えるのか理解できていれば、「他にもこんなデータが必要になるのでは」と自発的に考えを巡らせるきっかけとなります。業務に納得し、自分が遂行する意義を感じることで自発性は芽生えていきます。

裁量権を与える

自分に選択権や決定権がない業務は、どうしても他人事と感じられてしまいます。自身の考えが採用されるという環境であれば、従業員は自然と考えを巡らせ、自ら行動に移していくでしょう。

これは何も大きなプロジェクトに限らず、ちょっとしたタスクでも同様です。方法や人選などを任せることで、率先して「考える習慣」が身についていきます。

キャリアパスの設定

目的意識の向上や報酬の意味合いで、キャリアパスの設定は欠かせません。どんな仕事のなかにも、単調でつまらない作業があります。そうした業務も自身の思い描く目標につながっていると感じられれば、自分事として取り組みやすくなります。

まとめ

自発性の醸成を妨げる最たる要因として、時間を優先してしまうことが挙げられます。

業務のスピード感を優先するあまり、説明が疎かになったり、自由度のない指示を出してしまったりするものです。また、ワンマンで業務を推進する際にも、根底には「自分で行ったほうが早い」という考えがあるでしょう。

従業員に対して「自発性をもって業務にあたってほしい」と思う一方で、効率を優先するあまり自発性の芽を摘んでいるかもしれません。

これらの改善策として共通するのは、ひとつの業務のなかにも余白を作り、従業員一人ひとりに考える時間を与えることです。ときに回り道と思えるかもしれませんが、従業員のための時間を作ることこそ、自発性を醸成させる秘訣と言えるでしょう。

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