中間管理職の採用 求めるべきスキルや役割を解説

中間管理職は、管理職ながら上位の存在から指示される立場にある役職。現場と経営層を繋いでマネジメントする重要な存在で、次世代の経営層候補でもあります。担う業務は幅広く企業によっても差があるため、採用の際はミスマッチが生じぬよう注意しましょう。

中間管理職とは

中間管理職は具体的な役職を指す言葉ではなく、管理職でありながら上位の存在から指示される立場にある役職を意味します。

よく中間管理職として挙げられるのが「部長・課長・係長」です。部長は経営層(社長や役員など)から指示を受ける立場にあるため、中間管理職となります。同様に課長の場合、部長などから指示を受ける立場にあるため、やはり中間管理職となるわけです。

人材の空洞化(中間管理職の不在)

中小企業や一部の業界が抱える問題として、「人材の空洞化」が挙げられます。経営層と若手人材のあいだの中間層がおらず、「マネジメントが機能しない」といった深刻な状況に陥っている企業が増えています。

リクルート「人材マネジメント実態調査2021」によれば、現在の課題として「次世代の経営を担う人材が育っていない」との回答が55.2%と、選択肢のなかで最も多い回答となっています。

参考:【調査発表】人材マネジメント実態調査2021

優秀な中間管理職は、多くの企業にとって喉から手が出るほど欲しい存在になっているようです。

中間管理職が抱える負担

パーソル総合研究所「中間管理職の就業負担に関する定量調査」によれば、働き方改革が進む企業のなかで「自らの業務量が増加した」と回答した割合は62.1%にも上りました。

また、人事への「中間管理職への支援・サポート」についての調査では、「特に行っていない」と24%が回答しています。これは選択肢のなかで3番目に多かった数字です。

参考:中間管理職の就業負担に関する定量調査

4社に1社は中間管理職へのケアを行っていないことから、中間管理職の採用を目指す際は「中間管理職へのサポート」を強くアピールすると良いかもしれません。

中間管理職の役割

中間管理職の採用を検討する際、その役割を正しく認識していないと適切な人材に出会うことはできません。改めて、中間管理職の役割を確認しましょう。

人材の育成

中間管理職は、部下を育成する立場にあります。部下に仕事を任せ、ときには指導することで、経験を積ませていきます。漫然と仕事を割り振るのではなく、中長期的な視点で「こんな人材になってほしい」と指導していくことが大切です。

業務の推進・仕事の割り振り

中間管理職の業務でよくイメージされるのは、経営層が掲げる目標と現場のリソースのあいだで板挟みになるところではないでしょうか。実際、経営層が定めた目標を達成するために業務を推進するのが中間管理職の役割です。業務フローを整備し、適切な人材へ仕事を割り振り、業務を推進する能力が求められます。

職場の環境作り・部下の管理

職場の細かな状況は経営層からは汲み取りにくいため、中間管理職が環境作りを行う必要があります。

残業が増えている部下をケアするとともに、そもそも仕事量・目標値は適切なのかなど、経営的な視点を持って職場を整備していくのが中間管理職ならではの役割です。

中間管理職の募集・選考の際に確認すべきこと

中間管理職の採用は難しいといえます。「中間」とはいえ管理職はハイクラス人材となり、採用市場にも限られた人数しか現れず、条件面も厳しくなるためです。ミスマッチは通常の採用活動よりも深刻なリスクとなるため、選考には細心の注意を払う必要がります。

求める業務を経験してきたか

経験役職だけを見て採用してしまうと、ミスマッチの原因となります。企業によってはトップダウン方式で中間管理職に裁量権がない場合があり、「マネジメント経験がない」など役職に見合った経験・スキルを持っていない人材もいます。

募集要項で任せたい仕事や求める経験などを明記し、ミスマッチを防がなければなりません。

なかでも気をつけたいのが、「マネジメント」という言葉のすれ違いです。ビジネス界では「トップマネジメント」「ミドルマネジメント」「ロワーママネジメント」の3種類が挙げられ、中間管理職はミドルマネジメントにあたります。

自社ではミドルマネジメントの経験を求めていたのに、ロマーワマネジメント(現場での業務管理)の経験しかない人材だった……なんてことも起こりえますので注意しましょう。

中間管理職の役割を共有する

中間管理職に求められるものは、組織によって異なります。「部下の育成の意識がない」「意志決定は上位の役職へ仰ぐ」など、中間管理職の役割は必ずしも共通認識とはなり得ません。

自社で求めるものが候補者にとっては「自分の仕事ではない」という認識だと、入社後の業務に大きく支障をきたします。

欠けている部分の将来性

人材を見つけたとしても、他社もその人材を狙う可能性は高いでしょう。

なかなか求める人材に出会えず採用活動が長期化している場合、妥協点を見出すことも考えましょう。「マネジメント経験はないが、人材育成に前向きな姿勢を持っている」など、求める経験・スキルに欠けている部分があっても、将来性を見越して採用に踏み切ることも必要となってきます。

まとめ

よく「上下からの板挟み」といわれる中間管理職。先のパーソル総合研究所の調査でも、負担感を強く抱えている人の27%が「ほかの会社に転職したい」と回答しています。その一方で、企業の多くは次世代の経営層の不在を懸念しています。今後、中間管理職の採用競争は激化していくことでしょう。

採用活動の際は、しっかりと任せたい業務を伝える必要があります。求人媒体の募集ページだけでは掲載できる情報量に限りがあるので、ミスマッチが起こらないよう自社のホームページを整備し、求める人物像などを詳細に記載することをおすすめします。

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