ワーケーションを導入するなら今! メリット・デメリットは?

ワーケーションは、観光地で仕事をしつつ休暇を楽しむ新しい働き方。観光庁主導で推進が始まっており、企業としては生産性の向上や採用力の強化などの効果が期待されます。一方で懸念されるデメリットも存在し、しっかりとした準備のもとで推進する必要があります。

ワーケーションとは

ワーケーションとは、観光地で仕事をしつつ休暇を楽しむという新しい働き方です。仕事を意味する「Work」と休暇を意味する「Vacation」を組み合わせた造語であり、アメリカでは2000年代初頭から実践されていたといわれています。

ワーケーションは働き方改革のひとつとして注目されていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって急速に注目が集まっています。テレワークが普及し始めて土壌が整ったことにより、コロナ禍からの経済復興や地域創生を目的として推進されているためです。

2021年には観光庁が「新たな旅のスタイル」促進の一環として、ワーケーションなどの普及や環境整備を図っていくことを決定。新規予算として5億400万円が計上されています。

ワーケーションのメリット

観光庁によれば、ワーケーションのメリットは「企業」「従業員」「地域」それぞれにもたらされます。ここでは、採用担当者の業務に関連する「企業」と「従業員」にまつわるメリットを解説します。

参考:ワーケーション&ブレジャーの導入・推進による効果と企業経営

企業としての生産性向上

ワーケーションのメリットとして、従業員のストレス軽減やイノベーションの創出などによる生産性の向上が期待されます。

実際に観光庁が2020年にANAグループを対象として実施した効果検証では、生産性や心身の健康に良い影響があるとの結果がでています。

従業員の健康面やモチベーションを整えることで、企業として生産性向上につながるというわけです。

有給休暇(長期休暇)の取得促進

ワーケーションの導入によって、企業としては有給休暇の取得率向上、従業員にとっては長期休暇の取得機会といったメリットが得られます。ひいては、エンゲージメント(愛社意識)の向上、離職率の低下などにつながります。

日本は諸外国と比べても有給休暇の取得率が低く、長期休暇を取得する文化が浸透していません。

その点、ワーケーションとして数週間の休暇を設定することで、1週間はワーケーション先で働きつつ、残りの日数は休暇にあてるといった柔軟な働き方が実現できます。従業員とすれば、長い日数を地方や観光地で過ごすことができ、心身ともに新鮮な気持ちで過ごすことができます。

採用力の強化

従業員にとっては長期休暇の機会やリフレッシュ効果など、魅力的な利点が満載のワーケーション。企業としてはワーケーション導入を押し出すことで求職者の関心を集めることができ、採用力の強化につながります。

ワーケーションのデメリット

ワーケーションを実施できない職種(業務)がある

直接現場に立つ必要がある販売・運送などの職種や、セキュリティ面で外部での作業ができない仕事など、ワーケーションを実施できない職種(業務)があります。

同じ会社内でも、ワーケーションを行える従業員と行えない従業員で分かれてしまうと不平不満が溜まる恐れがあります。

情報漏洩の危険性

オフィス以外で業務を行うことにより、情報漏洩のリスクは高まります。

情報漏洩はウイルスなどの技術的な問題によって起きると考えがちですが、覗き見(ビジュアルハッキング、ショルダーハッキング)による情報の漏洩が全体の半数以上を占めているといわれています。

参考:Global Visual Hacking Experimental Study: Analysis

観光地などの屋外で業務を行えば、不特定多数の目にさらされ、情報漏洩の危険は高まってしまいます。

労務管理の一新

ワーケーションは、画一的な労務管理では対応できません。出張のように明確な業務上の目的があるわけではなく、監督するものもいないため、柔軟な管理体制が求められます。テレワーク導入の際に整えた管理体制があれば活用していきましょう。

オンとオフの切り替え

ワーケーションは人によって負担となる場合があります。「せっかく旅行に来ているのに休暇先で仕事をしたくない」といった具合に、オンとオフの切り替えが苦手な人にとっては負担となりかねません。

日本労働組合総連合会が公表した「テレワークに関する調査2020」によれば、 「仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなることがあった」と回答した人は7割以上にのぼっています。

参考:テレワークに関する調査2020

ワーケーション導入に必要な準備

場所の選定と自治体との連携

ワーケーションの場所の選定には、いくつかの条件があります。例えば休暇先に魅力がなければ制度があっても活用されませんし、仕事を行える空間がなければ業務が滞ります。

こうした課題は、ワーケーションを積極的に受け入れている自治体と提携することが解決の早道でしょう。すでに自治体によってはコワーキングスペースの整備や観光ツアーの実施など、環境整備を進めています。

費用や勤怠管理などのルール設定

ワーケーションは新しい働き方であることから、導入にあたってはルールを細かく設定しないとトラブルのもとになります。

例えば費用については「宿泊費と交通費は当人のみで同行者は自己負担」「会社と提携している施設のみ費用は全額負担」といったルールを設定、周知しておく必要があります。

また勤怠管理についても「設定されたタスクを終わらせることで一日の業務とする」「勤怠管理アプリを活用する」といった具合に、ワーケーション先で不安に感じることがないよう準備しておきましょう。

まとめ

ワーケーションを他社に先んじて導入できれば、魅力的な場所(自治体)を優先的に確保できるだけでなく、自社のアピールポイントとして採用力の強化にもなります。

ワーケーションは新しい働き方のひとつではありますが、テレワークの発展型であり、社員旅行などの福利厚生にも通ずる部分があります。積極的に推進されている今こそ、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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