中小零細企業が知るべき縁故採用のメリット・デメリット

縁故採用は自社の従業員や役員から血縁者や友人などを紹介してもらい、採用する手法です。採用競争が激化する現代に即したメリットがある一方、社内に採用ノウハウの蓄積がされず採用力が低下していく恐れがあり、中小企業は善し悪しを理解しておく必要があります。

縁故採用とは

縁故採用の意味

縁故採用とは、自社の従業員や役員から血縁者や友人などを紹介してもらい、採用する手法です。一般的には、経営層の親族が選考もなしに重役に登用される「コネ入社」の印象があるかもれません。事実としてそのような縁故採用が行われることもありますが、言葉の意味としては「選考プロセスが免除される」などといった定義はありません。

縁故採用は現在も中小企業の多くが実施する採用手法であり、採用競争が激化する昨今に見合った側面もあります。

縁故採用とリファーラル採用

IT系の企業やベンチャー企業などでは、リファーラル採用という縁故採用とよく似た採用手法が積極的に活用されています。

「従業員とのコネクションをきっかけに入社する」という意味で両者は一致していますが、リファーラル採用は「単なる紹介」の側面が強いといえます。あくまでも応募のきっかけに過ぎず、選考の結果次第では不採用になることも多々あるようです。

現在も中小企業にとっての主たる採用方法

縁故採用と聞くと昔の採用手法のように感じるかもしれませんが、中小企業においては今も主たる採用方法のひとつです。

野村総合研究所の「中小企業・小規模事業者の人材確保と育成に関する調査」の「採用ごとの利用実績及び採用実現率(中途)」によれば、「知人、友人(親族含む)の紹介」は「ハローワーク」に次いで2番めに多い採用方法となっており、新卒採用においても「ハローワーク」「教育機関の紹介」に次いで3番めに多い採用手法となっています。

縁故採用のメリット

採用コストの削減と応募の保証

縁故採用の最大のメリットは、採用コストの削減です。求人広告の掲載や人材紹介会社の利用には多額のコストが必要となるため、この行程を自社内での紹介によって省略できるのは大きなコストカットとなります。

また、求人を出しても応募が集まらず、採用活動に苦戦している企業にとっては「応募が保証される」ことは非常に大きなメリットです。上で紹介した調査結果にも表れていますが、採用競争が激化する現代においては、縁故採用を頼りとする企業も少なくないでしょう。

選考時間の短縮とマッチングの向上

通常の採用活動のなかでも把握するのが難しく、労力を割かざるえないのが応募者の人柄(性格)の確認です。自社とマッチするかを履歴書や面接だけだけでなく、社内の人間が保障してくれるのは大きなメリットといえます。

また、紹介者が応募者のスキルや経験なども把握していれば、その点でも選考を簡略化できるでしょう。

早期退職のリスクが低い

紹介を受けた手前、世間体や交友関係を気にして簡単に退職することができないというのも、企業側からするとメリットといえるでしょう。

よくドラマなどでも「○○さんの紹介なんだから、もう少しがんばってみなさい」と家族や親戚が後押しをする場面がありますが、こうした雇用契約以上の関係性が働くのも縁故採用の特徴です。とくに「人材の流動化」が進む現代では、重要な要素といえます。

縁故採用のデメリット

縁故採用は採用活動に行き詰まる中小企業にとって、理にかなった手法といえます。一方で、縁故採用に頼りきると企業としての採用力が減少していく恐れがあります。

他の従業員が不平不満を感じる

縁故採用と聞けば多くの人があまり良いイメージを持たないように、社内でも色眼鏡で見られる可能性があります。

パフォーマンスを発揮できなければ「実力もないのにコネで入社した」と人間関係に問題が生じることもあるでしょう。

とくに「役員からのたっての希望で入社した」といった事実がある場合などは、社内でのフォローを欠かさないようにすべきです。

採用ノウハウが蓄積されない

縁故採用では社内から候補者を紹介されるため、募集のプロセスが省略されます。これは採用コストをカットするメリットがある一方で、募集にまつわる採用ノウハウが蓄積されないという問題を抱えています。

今後も縁故採用だけで採用活動を続けられるとは限りません。縁故採用に頼りきりだと、後々に別の採用手法を用いた際に「どのような採用手法が応募を集めやすいか」「どういった表現の募集要項が求職者に刺さるか」といった蓄積がないため、採用活動が難航する恐れがあります。

また、「〇〇の紹介だから」と選考プロセスまで簡略化してしまうと、応募者を審査・選考するノウハウまで失われてしまいます。優秀な人材を見抜く力が失われ、生産力の低下を招くでしょう。

縁故採用に頼りきる採用活動は会社の寿命を縮める

中小企業庁が発表した「中小企業白書(2016年版)」では、「小規模事業者においては(中略)採用の基本的なノウハウの蓄積が十分ではない可能性が高いと考えられ、人材確保に課題を抱える企業では、まずは基本的な採用のノウハウを身に付けることが求められていると言える」と指摘されています。

参考:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H27/h27/html/b2_2_2_1.html

すでに中小企業では「後継者不足による倒産」が増加しており、2020年1~10月のあいだの「後継者難」を理由とした倒産は301件(前年同期比で47.5%増)に上り、2013年の調査開始以降、最多となっています。

参考:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20201110_03.html

縁故採用に頼り切る採用活動は、短期的な人材確保や採用コストのカットを期待できますが、長期的に採用力の低下による人材難に陥る可能性が高まります。

中小企業においては、自社の体力があるうちに採用ノウハウを蓄積させておくことが大切といえるでしょう。

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