パルスサーベイとは?意味・目的・メリット・実施方法を解説

パルスサーベイとは高頻度で従業員の満足度を調査する方法です。パルスサーベイを活用すると、組織の課題解決やエンゲージメント向上に繋がります。パルスサーベイとはどういうものか、メリットや実施方法について解説します。

パルスサーベイとは?

従業員満足度調査を実施しても、「従業員満足度の効果が見えない」「年1回の従業員満足度では正確な数値が分からない」といった課題が生じることがあります。従来の従業員満足度調査の課題を解消するものとして、「パルスサーベイ」の意味や目的を確認します。

パルスサーベイの意味

従来の従業員満足度調査は年1~2回が普通ですよね。しかしパルスサーベイは毎週・毎月に1回と高頻度で行います。しかも業務の一環として従業員満足度調査を実施するので、リアルタイムで従業員満足度を把握できるのが特徴です。

パルスサーベイのパルスは脈拍を意味します。「パルス=脈拍」には2つの意味合いがあります。1つは高頻度で従業員満足度調査を行うこと。

2つ目の意味は、パルスサーベイを通じて組織と従業員の「健康状態」をチェックすることです。高頻度で行うパルスサーベイなら従業員がどんなところに満足か、不満足かが分かります。不満足なポイントに対して早期に打ち手を講じれば、従業員満足度を向上させ、組織力も高めることができます。

パルスサーベイの目的やニーズ

パルスサーベイの目的には2点挙げられます。

  • 1.従業員満足度の現状を把握したい
  • 2.従業員満足度調査の費用を削減したい

既存の従業員満足度調査は、年に1~2回の頻度で行われます。頻度が低い分、多くの質問項目を盛り込めますが情報が古くなることも。例えば環境変化が生じれば、従業員満足度調査結果と現状にギャップが生じやすくなるのです。パルスサーベイなら高頻度で行えるので、従業員満足度の現状に近い情報を得られます。

従業員満足度調査にかかる費用を削減したいというニーズにも、パルスサーベイなら答えられます。従業員満足度調査で設定する質問項目は10~15程度。高頻度で行うため質問項目を増やす必要がなく、自社でも対応可能なのです。

パルスサーベイのメリット

パルスサーベイを活用するとどんなメリットがあるでしょうか?高頻度で従業員満足度を把握できるため、従業員満足度にかかる課題解決策を打ち立てることが可能です。

組織の課題に打ち手を講じやすい

パルスサーベイを活用すると、リアルタイムで従業員満足度の現状を把握できます。特定の個人や部署に不満足の要因が重なっていたら、企業は従業員満足度に関する課題に対して施策を打ち立てることができます。

具体例で説明しましょう。営業部でパルスサーベイを実施したところ、従業員A、B、Cさんが「人事評価に不満を抱えている」ことが分かりました。人事部が詳細を確認すると、考課者である営業課長が社内にほとんどおらず、部下の行動や仕事ぶりを確認せずに人事評価していないことが明らかになりました。

この結果、人事部は2つの施策を講じます。1つは営業課長へのマネジメント内容への指導です。人事評価は日常のマネジメントがあってこそ成り立つもの。部下の行動や仕事ぶりをしっかり把握した上で評価するように対面で指導します。

2つ目の施策は人事評価制度そのものの改正です。営業課長がマネジメントしていなくても人事評価が成立していた現状を変えるため、例えばノーレイティングを導入してみましょう。ノーレイティングは評価しないことではなく、リアルタイムのフィードバックを重視した評価方法をいいます。頻繁にミーティングを行い、上司は部下にフィードバックを与えます。その都度行った評価を積み上げ、人事評価とする仕組みがノーレイティングです。

営業課長のような管理者が他にもいるかもしれません。評価制度の改正と併せて、人事評価研修やマネジメント研修を実施することで、管理者のマネジメント能力の向上にも繋がるでしょう。リアルタイムで従業員満足度の現状が把握できるからこそ、課題の実態に合わせて迅速に施策を打ち出すことができるわけですね。

従業員のエンゲージメント向上に繋がる

パルスサーベイは従業員のエンゲージメント向上にも繋げることが可能です。パルスサーベイで出てきた課題の解決策としては、マクロとミクロの2つの視点に分けられます。マクロな視点は企業全体、あるいは人材マネジメントの課題と解決策です。営業部の課題の解決策の例に挙げたように、人事部が営業課長を指導し、人事制度の改正や教育研修の実施がマクロな解決策です。

一方でミクロな解決策にもパルスサーベイは有効です。ミクロな解決策とは個人間の課題解決となり得る施策のこと。パルスサーベイの結果を上司が共有すれば、部下がどんなことで悩み、課題と感じているかがリアルタイムで分かるようになります。上司(管理者)は「組織目標達成」と「部下育成」という2つのマネジメント目標を持っています。パルスサーベイを活用すれば両方に活用できるのです。

部下育成から見てみましょう。パルスサーベイにより、先輩との関係構築に悩んでいる部下の存在を知った総務課長。部下に対しても先輩に対してもうまく手を差し伸べることで、部下と先輩との関係構築をサポートできます。仕事や成果などで悩んでいる部下に対しても、パルスサーベイがあればうまくサポートできます。

部下の持つ個人目標の達成の蓄積は、組織目標達成に繋がります。部下が個人目標のどこを壁だと感じているのか、パルスサーベイの活用によって理解できます。部下が感じる壁が分かれば、上司は壁を取り除くためのサポートをすることができます。

パルスサーベイによって、マクロ・ミクロの両面から解決できれば、従業員は会社に愛着や忠誠心を感じエンゲージメントを高めることができるでしょう。

パルスサーベイの実施方法

パルスサーベイの実施方法を見ていきましょう。パルスサーベイの流れは次の通りです。

  • 1.パルスサーベイのサイクルを決める
  • 2.質問項目の数と内容を決める
  • 3.パルスサーベイを実施する
  • 4.パルスサーベイの結果を分析する
  • 5.課題に対して施策を打ち立てる

パルスサーベイのサイクルは、毎週1回もしくは毎月1回などから決めます。質問項目の数は5~15程度が適当です。質問項目の内容については、仕事や職場、社内の制度を通じて従業員の意識を把握できる内容とします。質問項目が決まれば、いよいよパルスサーベイの実施です。メールや社内SNSなどを通じてパルスサーベイを実施しましょう。従業員が回答しやすいように、リラックスした文体を心掛けて下さい。

パルスサーベイを集計し分析したら、従業員にもフィードバックを返します。分析結果の中から課題が見つかれば、緊急度や重要度に応じて迅速に対応したいところです。

まとめ

従来の従業員満足度調査と違い、パルスサーベイは頻度が高いため、従業員満足度の現状を把握しやすい調査方法です。パルスサーベイの分析結果から従業員や組織の課題が出てきたら、内容に応じて速やかに対処することで従業員満足度やエンゲージメント向上に繋がるのです。

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